設計室Fillより、住まい作りに関する様々な出来事を解説する企画「住まいづくりノート」です。

「 選ぶおもしろさと作るおもしろさ」

・・・あなたが住宅を注文したとして、トイレの手洗器のことを考えて見ましょう。
トイレの手洗いを設計する必要になりました。トイレの手洗器は各メーカーが微細なところまでお互いに競い合って利便性と工夫をベースにして様々な形の手洗器を販売しています。その中から選んでその一つを使えば良いのです。

あなたが家を作るとき、それぞれのものには選ぶおもしろさと作るおもしろさが伴うものですが、選ぶだけでは、右も左も同じものがあることに成り、服装を選び、さらに今日的には、組み合わせを選ぶときの自分のものという喜びはあまり膨らまないでしょう。ましてや、「自分が選んだ」という満足感があったとしても、「自分が考えて作った」という喜びを感じるには無理があります。

ではこのようにやってみましょう

1.まず手洗器は器という綺麗さと出来れば陶器ですから<焼き物づくり>と云う手作り感があればうれしいな・・・。

2.水栓は自動水栓もありますが、最低限手で捻って水を出すと云う<動作の味わい>位はあってもいいな。でも水栓の捻り手はなんとなく汚れ感が残るな・・・。そういえば昔、水の落ちるところに捻り手がある清潔感があるものがありました。

3.手洗い器は器ですから、それを載せる台は、同じ手作り感がある<自然の木板>を使って、これしかないカウンターがあればいいな。そして小物入れも器で1体のものが作れたらいいな。

4.タオル掛には様々な考え方とデザインがあります。

現代は、素材を手に入れてゼロから作るというのは、困難な時代です。けれども<着合わせ>の楽しさのように、結び合わすことの出来るものを自分好みで選んで・組み合わせて・配置を考えて、家の全体の雰囲気にも合わす。これが、あなたの満足感に繋がれば家づくりの根幹の喜びが伴って、ずっと残る記憶になり、あなたの満足感になると思います。

     組み合わせ
器・・・・・・・LIXIL 信濃焼き
水栓・・・・・・TOTO
カウンター・・・木材市場で購入
製作・・・・・・つばきや手作り家具
タオル掛け・・・つばきや
               など