第95回亡くなった人のポイントカードやマイレージは引き継ぎ可能?放送日:2020.02.27

  • 【ポイントの相続】
    登場人物:母、娘(質問者)
    財産内訳:溜まったポイント、マイレージ
  • Q.
    先日、母が亡くなり、遺品整理をしていたら、大量のポイントカードやマイルマイレージが大量に貯まっているということが分かりました。こうしたポイントは、母の死後も使用可能なのでしょうか。
  • A.
    各ポイントカードの利用規約において、死亡した会員資格の取扱いについて定められていますが、死亡時にポイント失効となる場合が多く、原則として、ポイントの譲渡は認められません。
    これは、民法において「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」(民法第896条)という規定に基づくためです。
    ポイントは、「当該個人がそのポイントプログラムの会員である」という資格によって受けられるサービスのため、「被相続人の一身に専属したもの」に該当します。従って、法律的には相続の対象にはなり得ません。
    しかし、あくまでも「法律上」であるため、実際には各社が独自の規約で家族間でのポイントの統合や引き継ぎを認めている場合もあります。
    思い当たる方は、念のため利用規約の家族とのポイント共有について確認することをおすすめします。
    マイレージについては、航空会社によって異なりますが、多くの航空会社では相続可能です。ある、航空会社では、会員が死亡した際、法定相続人は、手続き完了時点で有効な範囲で会員が取得したマイルを承継することが可能です。
    法定相続人は、会員の死後6ヵ月以内に航空会社に、故人である会員のマイルの相続権を有することを証明する書類を提示しなければなりません。
    期限内に相続の申し出を行わなかった場合は、当該会員の精算マイルは全て取り消しとなります。
    会員本人の死亡証明書や裁判所命令等も用意しなければならないため、準備は早めに行いましょう。