第92回ペットに財産を残したいとき~条件付遺贈~放送日:2020.02.06
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- 【ペットに相続】
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登場人物:質問者、ペットの犬
財産内訳:自宅(3000万円)、預貯金(1000万円)
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- Q.
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私は独身で、身寄りはないですが、長年一緒に暮らしたペットがいます。私の死後、残されたペットのお世話が、きちんと行われるのが不安です。ペットに財産を残すのは無理だとしても、ペットに何かしらの手当てを残したいです。
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- A.
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ペットに財産を相続することはできませんが、ペットの世話を条件に財産を遺すことができます。
法律上、ペット自らが財産を所有することはできませんが、信頼できる人に「ペットの世話を条件に財産を遺贈する」 との遺言書を作成することはできます。
例えば、信頼できる第三者を見つけて、遺言書に記入する前に事前に同人の承諾を取った後で、ペットが死亡するまで愛情をもって育てることを条件に預貯金1,000万円遺贈することが可能です。
遺言書に定めがあれば、第三者は遺言者が亡くなった後、遺言を渡す条件や負担を決めることを、負担付贈与と呼びます。
負担付遺贈、もしくは、条件付遺贈を利用することで、ペットに遺贈を相続せずとも、遺言者の死後ペットの面倒を観ると希望する内容を実現することが出来ます。
負担付遺贈とは、遺贈者が受遺者に対して、財産をあげる見返りに、受遺者に一定の義務を負担してもらう遺贈のことです。
他の例としては、「年老いた妻の介護を見ることを条件に財産をあげる」、「住宅ローンを引き受ける代わりに家を与える」、「障害を抱えた子供の面倒を見る条件で財産をあげる」などが考えられます。
なお、受遺者は遺贈の目的の価値を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行しなければならない(民法1002①)とされています。つまり、もらう財産の価値以上の、義務を負う必要がないということです。
しかし、受遺者は義務を負担するのが嫌であれば、遺贈を放棄することができます。ですから、負担付遺贈をする場合には、遺贈者と受遺者は事前に十分話し合っておくことが必要です。また、受遺者が、ちゃんと負担を実行するかを、見守るために、遺言執行者を指定しておくと良いでしょう。
もし、負担付遺贈を受けた者が義務を履行しないときは、相続人または遺言執行者は、相当の期間を定めて履行を催告できます。なお、それでも履行がないときは、遺言の取消しを家庭裁判所に請求できます。