第342回遺言書が特に必要なケースってどんな場合?放送日:2024.10.31

  • 大木さん:今月は「相続のキホン」について教えていただいています。先週は「遺言書を書くことのメリット」について教えていただきました。

    大木さん:遺言書を特に作成しておいた方が良いケースってありますか?

    絹川先生:特に必要なのは、遺産がたくさんある人、また不動産を持っている人、家族が多い人などいくつかのケースが考えられます。あくまで一例ですが、以下のような人は遺言書を書くことを特に検討しましょう。
  • 1. 遺産がたくさんある人
    遺産がたくさんあると、遺産分割の際に相続人同士でもめやすくなります。遺言書を作成して誰にどの遺産を取得させるか決めてトラブルを予防しましょう。
    →分割対策、納税対策、節税対策
    2. 不動産を持っている人
    不動産は高額資産であり、分割の方法や評価方法も複数存在するため、遺産分割について相続人同士でもめやすい特徴があります。遺言書を作成して、不動産の分割方法を指定しておきましょう。
    →分割対策、納税対策、節税対策
    3. 家族が多い人
    相続人が多ければ多いほど、各相続人の意見が割れて遺産分割協議はまとまりにくくなるものです。遺言書を作成して、遺産分割協議をしなくても相続手続きを進められるようにしておきましょう。
    →分割対策
    4. 家族に相続でもめてほしくない人
    財産の多寡や相続人の人数にかかわらず、遺産をめぐって家族がもめてしまうのを防ぎたい場合、遺言書によってトラブルの予防をはかりましょう。
    →分割対策、納税対策、節税対策
    5. 家族がいない人
    家族がおらず法定相続人がいない場合、遺産は最終的に国庫へ帰属してしまいます。お世話になった人へ遺産を渡したい場合、関連する会社や慈善団体に財産を寄付したい場合など、自分で遺産の引き継ぎ方法を決めたいケースでは遺言書を作成しておきましょう。
    6. 相続人以外の人へ遺産を受け継がせたい人
    内縁の配偶者や長男の嫁、孫など「相続人ではない人」へ遺産を受け継がせるには、遺言書の作成が必須です。相続人以外の人へ遺産を受け継がせたい場合にも遺言書を作成しておきましょう。
    →分割対策、納税対策、節税対策