第337回事例をもとに学ぶ生前対策:生前対策は認知症になってからでは出来ない対策がほとんど。元気なうちに始めましょう。放送日:2024.9.26
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- 【事例】
- Aさんは、現在80歳になるお母さまと2人暮らし。Aさんは独身で、働きながらお母さまの介護をしています。しかし、最近お母さまの物忘れが悪く、先行きが不安な状態です。さらに認知症になってからではできない相続対策もあると聞き、今後の介護資金確保のためにも相続対策を考え始めました。Aさんのお母様の財産は持ち家と使っていない土地、少しの預貯金です。
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- 【解説】
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介護しているお母さまの物忘れが激しい、ということで、もしも認知症になった場合デイサービスの利用や病院での治療費等介護資金は相当なものになるでしょう。介護資金の不安を解消するためにも、相続について考え始めたということですね。たしかに、Aさんもご存じの通り相続対策は認知症になってからでは出来ないことが多いので早めに考えた方がよいでしょう。
使っていない土地がある場合、土地を貸す、売却するなど複数の選択肢が考えられます。たとえば土地を売却すれば資産を現金化でき、介護資金を確保することもできるでしょう。
ただ、土地を売却することはデメリットもあります。土地を貸した場合と違い、売却してしまえばそれ以降はその土地を利用して収益を得ることはできなくなりますし、現金化することで、相続税上の評価は大きく上がります。それによって相続税がかかるようになってしまうということもありますし、売却して得た利益にも税金がかかります。
使っていない土地をどう利用するかは、ご自分の状況、その土地がどのようなものかで選択肢は変わってきますので専門家の調査のうえ、慎重に対策する方が良いでしょう。