第332回事例をもとに学ぶ「連れ子の相続権」:連れ子には相続権がありませんから、養子縁組をしたり遺言書を書いたりと事前の対策が必要です。放送日:2024.8.22
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- 【事例】
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Aさん一家は3人家族です。
Aさんは母の連れ子で父と血は繋がっていません。
最近になって父はAさんに遺産相続の話をするようになりました。
父はAさんに財産を相続したい、と考えていますがどのような対策が必要でしょうか。
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- 【解説】
- まず、連れ子に相続権はありません。被相続人と養子縁組をすることで、相続権が発生し相続財産を受け取れるようになります。
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- ◆相続をするには「養子縁組」が必要
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Aさんが父の財産を相続するためには、相談者と父が「法律上の親子」になる必要があります。
それを可能にする方法が「養子縁組」です。養子縁組の手続きは、連れ子または被相続人の本籍地、または住所地を管轄する市区町村役場で行うことになります。
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- ◆遺言書を書く
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遺言書で、Aさんに○○を相続する、といった内容を書くことでAさんに指定の財産を相続させることができます。しかし、遺留分には気を付けて遺言書を作成する必要があります。
遺言書を作成するなら、「公正証書遺言」がおすすめです。
遺言の代表的な形式は、全文自分で遺言を書く「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。
自筆証書遺言は、不備があると無効となるというリスクがあります。
一方、公正証書遺言は公証人が作成するため上記のようなリスクがありません。
比較的、自筆証書遺言より費用はかかりますが、有効な遺言を作成することができるという点で公正証書遺言を選択すると良いでしょう。
その他、生前贈与、生命保険の受取人になること