第328回遺言書の保管方法:誰にもみつからない場所に隠すのは危険です。信頼できる専門家に依頼する(遺言執行者に指定する)のが確実です。放送日:2024.7.25
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- 【質問】
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先日、遺言書の書き方をセミナーで勉強して、自分でやっと遺言書を完成させることができました。
重要な書類なので、誰にも見つからない場所に置きたいのですがどこに保管するのが良いのでしょうか。
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- 【解説】
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「誰にも見つからない場所に保管」するのは少し危険です。死後も本当に誰も見つけられない可能性があり、遺言に書いた内容が誰にも伝わらないことが考えられます。それでは本末転倒です。
とはいえ、遺言書は、自分の財産の内容やその配分の仕方などが記載されている、大変重要な書類です。その書類がもとになって、親族がトラブルに巻き込まれる可能性も十分にあるということを、まずは認識しておく必要があります。
しかし、見つかりやすい場所に保管しておくと、偽造や変造、破棄などをされる恐れもあります。遺言書を自分で保管する際には、信頼できる人にだけ、遺言書の存在と場所を伝えておくという方法が良いでしょう。「信頼できる人」といっても、家族や友人ではトラブルになる可能性は大きいので、専門家に依頼する(遺言執行者に指定する)のが確実です。
自分の手で作成した「自筆証書遺言」を保管する場合は、先ほどもお話ししましたように、紛失したり、偽造されたりする恐れがあるので、専門家に保管を依頼するとともに、その専門家を遺言執行者に指定しておくようにすると良いでしょう。遺言執行者を指定しておくと、遺言書の内容に従って手続きを進めてくれるので、残された家族に煩わしい手続きをさせる心配もなくなります。
公証人に依頼して作成する「公正証書遺言」や「秘密証書遺言」の場合は、保管の心配は不要です。なぜならば、それらの遺言書については、公証役場に保管されることになるからです。公証役場に保管されるため、誰かに偽造や破棄をされるといったリスクを回避することができます。
それでも、遺言書が公証役場に保管されていることは、誰かに伝えておかなければなりません。公正証書遺言は、相続人などが公証役場に問い合わせれば、遺言書の所在やどこで作成したが分かるシステムに登録されています。相続人の立場で、遺言書の有無が分からないような場合でしたら、公証役場で遺言書の有無を調べてもらうと良いでしょう。
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- ≪自筆証書遺言書保管制度≫
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自筆証書遺言については、法務局での保管制度(以下では「遺言書保管制度」といいます)が2020年7月10日から始まりました。遺言のルールで間違いがないかのチェックが受けられたり偽造や書き換えの防止、さらに検認の必要もありません。