第325回遺言ってどんなもの?:遺言とは、被相続人(亡くなった人)が生前に「自分の財産を、誰に、どれだけ残すのか」についての意思表示をする、大切な文書です。放送日:2024.7.4
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- 【質問】
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最近、還暦を迎えて終活について考えるようになりました。
まずは「遺書」を書くべきかと思いましたが調べてみると「遺書」と「遺言」は異なるとのこと。
「遺言」ってどんなものか具体的におしえてください。
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- 【解説】
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遺言とは、被相続人(亡くなった人)が生前に「自分の財産を、誰に、どれだけ残すのか」についての意思表示をするもので、それを書面に残したものが遺言書です。「ゆいごん」「いごん」のどちらの読み方でも使われています。
遺言は大きな効力を持っており、遺言書さえあれば、遺産は基本的に遺言書通りに分けることになります。そのため、スムーズに遺産相続が進むこととなり、遺産の分け方をめぐって相続人同士での争いも生じにくくなります。
また遺言によって、法律で定められた法定相続人以外の人に財産をあげたり、寄付したりすることもできます。例えば、介護でお世話になった長男の妻は法定相続人ではありませんが、遺言によって、長男の妻にも自分の財産を譲ることができます。
遺書とは、自分の死後に残される家族、友人、知人など親しい人に向けて、自分の気持ちを伝える手紙のこと。
遺言書は、民法に定められた方式に従って作成するものなので、遺書とは異なり法的効力を有する法律文書です。しかし、遺言書に書いたものは何でも法的効力を有するわけではなく、書き方を間違えると無効になる場合もあります。法的に問題のない遺言書を作成するために、専門家に相談することも検討すると良いでしょう。