第323回デジタルな財産が近年増えています。デジタル遺産を大切に保護し、相続人がアクセスできるようにすることは、家族や友人間のつながりを守る一環と言えます。放送日:2024.6.20
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- 【質問】
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近年はデジタル化が進み、スマホがないと生活できないほど、誰もがQR決済を使い、ネットバンキングを持ち、SNSを駆使して生活していますよね。
そういった目に見えない「デジタルな財産」も相続の対象になるのでしょうか。
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- 【解説】
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デジタル遺産とは、亡くなった人のデジタルな資産や情報のことです。これには写真、動画、音楽、文書、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアのアカウントなどが含まれます。デジタル遺産は、ただ思い出を保存するだけでなく、法的・感情的な価値の両方を持っています。
デジタル遺産は、相続人にとっても重要です。財産的な価値があるものとしては、暗号資産や収益が生じているアフィリエイトアカウント(インターネット上の広告を利用して広告収入を得ている人が所持する権利)が具体例として挙げられます。一方で、財産的価値を有する暗号資産を相続人が認識せず、放置をすれば、税務申告上の問題も発生し得ます。ですから「相続の対象となる」と言えるでしょう。
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- デジタル遺産の具体例
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・暗号資産(仮想通貨)
・電子マネー(PayPay・d払い・楽天ペイ・icoca)
・クレジットカードのポイントやマイレージ
・デジタルの著作物(著作権)
・NFTアート
NFTとは、ブロックチェーン技術を活用して作成された、代替不可能なデジタルデータです。
・ネット銀行やネット証券の口座
また、亡くなった人との思い出やつながりが詰まっていることもあります。
デジタル遺産を大切に保護し、相続人がアクセスできるようにすることは、家族や友人間のつながりを守る一環と言えます。
デジタル遺産を管理し、相続人へ託すための対策も必要です。
遺言書やパスワード管理、データのバックアップなどを適切に行い、
相続人と意志を共有しておくことが重要です。専門家に相談を!