第318回生命保険の非課税枠を活用しよう:死亡保険金はみなし相続財産となり、相続税の課税対象となりますが、保険金の受取人が法定相続人の場合は保険金のうち、非課税枠があります。放送日:2024.5.16
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- 【質問】
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生命保険には非課税枠があると聞きました。
詳しく教えてください。
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- 【解説】
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先週、お話しましたとおり死亡保険金はみなし相続財産として、相続税の課税対象になります。しかし、保険金の受取人が法定相続人の場合は保険金のうち、非課税枠があります。
<非課税金額(非課税となる金額)=500万円×法定相続人の数>
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- 【例えば・・・】
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妻と2人の子どもがいるAさんは、万が一の時に備えて、5,000万円の死亡保障がある生命保険に入りました。保険金の受取人は妻です。また、生命保険以外の相続財産が一切ないと仮定します。
もし、Aさんが亡くなった場合、Aさんの妻が受け取った保険金5,000万円は、みなし相続財産となります。
しかし、生命保険の非課税枠があるため、「500万円×3人(法定相続人の数=妻、子ども2人)」の1,500万円を差し引き、3,500万円が相続税の課税価格となります。
しかし相続税には、そもそも基礎控除といって「3,000万円+法定相続人の数×600万円」を相続財産から差し引くことができる非課税枠があります。
<相続税の基礎控除額=3,000万円+法定相続人の数×600万円>
今回の例では、4,800万円を課税価格から引くことができます。
つまり、基礎控除の範囲内に相続税の課税価格が収まっているため、相続税はかからないということになります。
このように、非課税枠を使い節税できる場合があります、
ただ、保険は長期間にわたって契約することが多いです。保険金受取時に受取人が亡くなっている場合、受取人の法定相続人全員による協議が必要になるなど、手続きが煩雑になります。契約した当初から、受取人との関係に変化があった場合などは、保険金受取人について、忘れずに見直しておきましょう。