第314回【あってよかった!遺言書】子どもがいない場合の相続では、しばしばトラブルが起こることも。たとえば兄弟姉妹が法定相続人となる場合、配偶者へ全財産を相続する、という内容の遺言を書くこともできます。放送日:2024.4.18

  • 【事例】
    先日夫が亡くなりました。私たちには子どもがおらず、夫の父母は亡くなっているので、法定相続人は妻である私と、夫の兄、の計2名。しかし、夫は遺言書を残してくれていて「妻に全財産をわたす」旨が記載されていました。義理の兄とは交流がなく、夫自身も疎遠のようでしたからコミュニケーションが難しいかもしれないと不安に思っていたので、安心しました。
  • 【解説】
    子どもがいない夫婦で、夫または妻のどちらか一方が亡くなった場合、その相続人は、親がいれば相続人は配偶者と親になります。親や祖父母がすでに亡くなっているが兄弟姉妹がいる場合、配偶者と兄弟姉妹が相続人です。

    法定相続分に従えば配偶者が3/4、兄弟姉妹が残りの1/4のように平等に分ける必要がありますが、普通であれば遺産分割協議と言って話合いをしないといけません。もし亡くなった被相続人の兄弟姉妹とあまり交友がない場合は、その話し合いをすることも少し大変かもしれません。それを防ぐには遺言が必要です。

    もしも遺言書がない場合には遺産分割協議において相続人全員で遺産の分け方を話し合う必要があります。
    しかし、当事者間で話し合っても、感情的になってしまいうまくいかない場合もしばしば・・・。
    遺言を残しておけば無駄な争いを避けることができると言えるでしょう。

    また、兄弟姉妹には「遺留分」がありません。
    ですから、「妻に全財産を」という旨の遺言を書いても、トラブルに発展することはないでしょう。

    遺言書を書くほかにも

    ・生前に財産を配偶者に贈与しておく
    ・生命保険の受取人を配偶者にしておく


    なども有効であると言えます。

    残された家族が円満な相続を迎えるために、
    事前の対策が重要です。

    どのような対策ができるのか、
    あなたに適した対策はどんなものか、
    お気軽に専門家にご相談ください。