第313回【あってよかった!遺言書】こどもが複数いる場合、こども同士は仲が良いから大丈夫と思っていても相続の現場ではしばしばトラブルが発生します。残された家族の間に要らぬ争いを生まないためにも、遺言書は必須です。放送日:2024.4.11

  • 【事例】
    先日父が亡くなり、相続がはじまりました。父の財産には不動産が多く、さらに相続人は私達兄弟3名。平等に分けるのが難しい中、父は公正証書遺言を残してくれていました。遺言書には、私たち3人とそれぞれ生前に話していた要望に沿う形で分配する旨が書かれており、トラブルなくスムーズに相続を終えることができました。
  • 【解説】
    実は子供同士の仲がいいと思っているご家庭ほど遺産分割争いがあります。民法では相続人が子供のみである場合平等に分けないといけない為、子供が複数人いる場合や不動産などの分けにくい財産をもっていた場合、話し合いがつかず家庭裁判所の調停になるケースが年々増えています。また子供の配偶者が意見を言うこともありなかなかまとまらないのが現状です。それを防ぐには遺言の作成が必要不可欠。今回のように事前に話し合い、さらに遺言書を書いておけば安心です。

    *兄弟は仲が良くても配偶者や親戚など法定王族人以外の人が干渉
    *割合の不満
    *どの不動産を相続するかの不満
     使用用途、エリアなど


    中でもおすすめは「公正証書遺言」です。

    公正証書遺言とは公証人に作成してもらい、原本を公証役場で保管してもらう形式の遺言のこと。

    法律の専門家である公証人が介在するため法的に正確で、また証拠能力もあります。
    更に、原本は公証役場での保管となるため、紛失や偽造・変造等のおそれもなく、最も安心で確実な方法です。
    費用がかかる、証人の立会いを要するため遺言内容を秘密にできないといった短所もありますが、相続人間の揉め事を防止する上では、公正証書遺言は最も望ましい遺言方法と言えます。

    遺言書はただ相続のために書くだけではありません。
    ご自分の思いを、残された家族に遺す大切な手段です。
    専門家がご要望や思いを細かくお伺いして、遺言書を作成しますから、ぜひご相談ください。