第312回【あってよかった!遺言書】介護をした子どもには「寄与分」が認められることがありますが、遺言書を書けばスムーズに、生前お世話になった人へ遺産を渡すことができるでしょう。放送日:2024.4.4

  • 【事例】
    先日、父が亡くなりました。母はすでに亡くなっており、相続人は私、弟の2人です。
    わたしは長い間、父のそばで介護を続けてきました。しかし弟はほとんど実家には寄り付かず、年に1回帰ってくるかどうか。相続財産が弟と同じ、というのは納得いかないなと思っていたところ、父の遺言書が見つかりました。遺言書には、「長男には介護してもらった分、弟より多く相続する」旨が記載されており、大きなトラブルなく相続を終えることができました。
  • 【解説】
    介護を献身的に続けるなどして、被相続人へ特別な寄与をした人が、他の相続人よりも多くの財産をもらいたいと思うのは当然ですよね。確かに、相続においてそれを「寄与分」といって、「認められた分だけ多くの財産」をもらうことができる場合があります。しかし、そのためには「相続人全員」が認める必要があり、それが難しいのが現状です。
    今回のように、遺言書を書いておけば相続人全員の同意を得る必要なく、スムーズに相続を終えることができるといえるでしょう。ただ、トラブルを避けるために「遺留分」には気を付けましょう。
  • 【残された家族のために公正証書遺言を書こう】
    円満な相続のために、もっとも安全で確実な「公正証書遺言」を書きましょう。
    先週、公正証書遺言についてお伝えしましたが、今回は公正証書遺言を書くにあたって私たちがどのようなサポートを行っているかを具体的にご紹介します。
  • ★原案作成サービス
    専門家があなたのご要望を伺った上で、専門家の手で遺言の原案を作成します。
    その後はあなた自身で公証役場を何度か訪問し打合せを重ね、証人2名をご手配の上で完成させてください。
  • ★フルサポートサービス
    専門家があなたのご要望を伺った上で原案を作成し、更に公証役場との打合せまで行います。また、ご要望があれば、証人の手配や公証役場への出頭代行を含めトータルで対応します。
    *分割・納税・節税だけではなく相続後の生活や所得税なども考慮します。
    相談者の状況に合わせて円満な相続のためのサポートを行います。まずはお気軽にご相談ください。
    *遺産総額によって変わりますが約200,000円~
  • ※遺留分とは
    一定の相続人に対して、遺言によっても奪うことのできない遺産の一定割合の留保分のことをいいます。 亡くなった方(被相続人)は、自身の財産の行方を遺言により自由に定めることができますが、被相続人の遺族の生活の保障のために一定の制約があります。
    ※寄与分とは
    寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合に、他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる制度です。 あなたが被相続人に対して財産の維持や増加に貢献をしていた場合、寄与分が認められ、相続分が増える可能性があります。