第309回【円満な相続のために今できること】分割対策:誰が「どれだけ」もらうか「分け方」で問題が発生するケースが多いですから、財産を分けやすい状態にしておくと良いでしょう。放送日:2024.3.14

  • 円満な相続のために、生前の準備が肝要です。
    今日は「分割対策」についてお話します。
  • 絹川先生:大木さん、分割対策、と聞いて何を思い浮かべますか?
    大木さん:この番組では何度も出てきていますね、「誰に」「どの」財産をあげるか決めておくんですよね。

    絹川先生:そうですね、「分割対策」というのは、「誰」が「どの」財産を「どれだけ」もらうか、「分け方」で揉めないための対策です。たとえば不動産が1つしかないのに相続人が複数人いる場合はトラブルになるケースが多いです。

    「うちは財産がそんなに多くないから相続問題は起こりえない」「家族間で揉め事は起きないだろう」とお考えの方も多いでしょう。しかし実際は、財産の大小に関係なく「誰が」「どの」財産をもらうか、「分け方」で様々な問題が発生します。

    *例えば⇒税金の額が変わる/どの財産を取得するか/取得後どのようにするか/不動産のわけかた/遺留分
         納税ができないなど

    相続開始後の揉め事を避けるために、「財産を分けやすい状態にしておくこと」も重要ですが、「貰って困る不動産(老朽アパート、地方不動産等々)の整理」も必要です。また、トラブル防止のために遺言書を遺しておくことも検討しましょう。
  • ■遺言書を残しておく
    遺言書は、愛する家族に残す最後のメッセージであると同時に、遺言書があることで遺産分割協議を省略することが出来るので、争族を未然に防ぐ最良の手段です。
  • 【遺言でできること】
    (1)財産の処分に関すること(お世話になった人に財産を相続させたいなど)
    (2)相続に関すること(法定相続分と異なる割合の指定や遺言執行者の指定など)
    (3)身分に関すること(認知や未成年後見人の指定など)
  • 下記の場合は、遺言を残しておくことをお勧めします。
    ▶ 財産の大半が不動産である
    ▶ 相続人同士が不仲である
    ▶ 推定相続人が認知症、意思能力に問題ある
    ▶ 推定相続人が音信不通、失踪している
    ▶ 推定相続人が配偶者と先妻の子である
    ▶ 推定相続人が配偶者と兄弟姉妹(第3順位)
    ▶ 特定の相続人に継がせたい財産がある
    ▶ 取引相場のない株式を保有する同族会社
    ▶ 法定相続人以外の人に渡したい
    ▶ 内縁の配偶者がいる