第277回【相続の基本】相続ってどんな方法があるの?相続には大きく分けて「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3種類あります。放送日:2023.8.10
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大木さん:今月は「相続のキホン」について教えていただいていますが、「相続」とひと口にいっても、どんな方法があるのでしょうか。
絹川先生:ひと口に相続といっても、被相続人の財産を引き継ぐ方法は単純承認・限定承認・相続放棄の3つがあります。それぞれどのような引き継ぎ方になるのか、それに伴う手続きと合わせて確認しておきましょう。
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- 1.単純承認
- A:被相続人が残した財産のすべてを無条件に引き継ぐことを「単純承認」といい、一般的にはこの方法で相続するケースが大半です。単純承認では相続財産に属する権利・義務もすべて引き継ぐため、借金や負債も相続することになる点に注意が必要です。
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- 2.相続放棄
- すべての財産とそれに属する権利・義務の一切を放棄するのが「相続放棄」です。プラスの財産よりマイナスの財産のほうが明らかに多い場合などに、相続放棄を選択することができます。
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大木さん:相続放棄をしたい、という場合にいつまでに申請をする、という期限が確かありましたよね?
絹川先生:相続放棄をする場合は、相続開始後、または相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に、所定の書類を提出して手続きします。ただし、いったん相続放棄をしたら、後で撤回することはできません。
大木さん:3か月以内というとあっという間ですよね…、相続放棄をした場合、相続権は第2順位、第3順位、と次の相続人に移っていくのでしょうか。
絹川先生:そうですね、だからこそ相続放棄をした場合、他の相続人にもそのことを伝えることが大切です。たとえば借金があるために子ども全員で相続放棄をした場合、相続人は第2順位、第3順位の人へと移っていき、その人たちに借金の取り立てが回る可能性もあります。他の人たちに迷惑をかけないためにも、相続放棄をした人はその旨を、他の相続人や次の相続人に知らせておくのがマナーです。
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- 3.限定承認
- プラスの財産の範囲で、借金などのマイナスの財産も引き継ぐ方法が「限定承認」です。この場合、プラスの財産を超える借金や債務があった場合、超えた分については返済の義務はありません。債務などを返済後に財産が残ったら、その分は相続できます。「借金はあるようだけど、マイナスの財産とプラスの財産でどちらが多いかわからない」といったときに、便利な引き継ぎ方といえます。限定承認を選択する際は、相続開始から3カ月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所で所定の手続きを行います。この手続きは相続人全員で行う決まりのため、事前に相続人全員で話しあい、合意を得ることも必要です。