第275回【遺言について学ぼう!】遺言書を法務局に預けたからといって、その遺言書が確実に有効とされるとは限りません。確実に有効な遺言書を書くためには、専門家へ相談することをおすすめします。放送日:2023.7.27
-
大木さん:今月は遺言書がもとで起きるトラブルについて教えて頂いています。
絹川先生:せっかく書いた遺言書も無効になってしまっては意味がないですよね、さらに、遺言書について誤解がある場合もあります。
大木さん:それってどんな場合ですか?
絹川先生:では1つずつ見ていきましょう!
-
- 1.検認を受けた遺言書
-
絹川先生:検認を受けた遺言書は必ず有効だと思いますか?
答え:検認を受けても遺言書が有効とは限らない
遺言書の検認は遺言書が存在することの形式的な確認手続きに過ぎないので、後に遺言無効確認訴訟などの手続きで遺言の有効性が争われる可能性があります。有効な遺言であることの証明にはなりません。
- 2.法務局に預けた遺言書
-
絹川先生:遺言書保管制度について先日お話しましたよね?保管制度を使って法務局に預けた遺言書は必ず有効でしょうか?
答え:法務局に預けた遺言書が無効になる可能性もある。新設された遺言書保管制度を利用しても、要式違背があったり、認知症などで遺言能力などを争われて遺言が無効になったりすることは防げません。
-
- ◆まとめ
- 相続問題が生じると遺族は死を悼む暇もないままに法的紛争手続きに巻き込まれていくことになります。遺言書は、そういったトラブルを防止するために極めて有効な手段ですが、作成には注意を要します。確実にトラブルを防いで有効な遺言書を作成するには専門家へ相談することをおすすめします。