第270回【遺言書検定】自筆証書遺言を書く場合、いくつかのルールがありますから作成のための手順を確認し専門家に相談することをお勧めします。放送日:2023.6.22
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大木さんに質問:自筆証書遺言を書く場合、まずは財産を把握する必要があります。
どのような書類を集める必要があるでしょうか?
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答え:
・不動産の登記簿(全部事項証明書)
・預貯金通帳、取引明細書
・証券会社やFX会社、仮想通貨交換所における取引資料
・ゴルフ会員権の証書
・生命保険証書
・絵画や骨董品など動産の明細書 など
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不動産の登記簿、預貯金などは代表的なものとして考えられますが、
会員権の証書、動産の明細書なども財産を把握する際には必要になります。
自筆証書遺言を書く場合には下記のような手順で進めましょう。
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- 1.財産目録を作成する(パソコンで制作OK)
- 遺言書には、どのような遺産があるのかを明らかにするための「財産目録」を作成してつけましょう。財産目録は資産内容と負債内容、合計額を示す「一覧表」です。自筆証書遺言であっても財産目録についてのみ、代筆やパソコンの利用が可能です。また預貯金通帳の写しや不動産全部事項証明書などの資料の添付でも代用できます。ただしパソコンや資料で代用する場合にはすべてのページに署名押印が必要です。
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- 2.誰に何を相続させるのかを明示する
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誰にどの遺産を相続させるのか、わかりやすく書きましょう。相続内容があいまいになっているとせっかく遺言書を残してもトラブルのもとになってしまう可能性があります。
大木さんに質問:たとえば「金融資産2千万円を兄弟で半分ずつ相続させ、残りの財産はすべて妻に相続させる」という内容の遺言を書いた場合、どのようなトラブルが考えられるでしょうか?
答え:このような書き方をすると、たとえば現金と株の金融資産があるとき、2千万円の分け方が無数に生じるのでトラブルのもとになってしまいます。
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- 3.遺言執行者を指定する
- 遺言書で遺言執行者を指定しておくと、遺言内容をスムーズに実現できます。信頼できる相続人や弁護士などの専門家を指定しましょう。
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遺言書には、上記のように必須でおさえるべき「要件」のほかにも「書き方」にポイントがあります。相続トラブルを防ぐための遺言書ですが、曖昧な表現をすることで逆にトラブルにつながることもあります。
遺言書のトラブルを防ぎ、有効な遺言書を書くためのサポートもできますから、お気軽にご相談ください。