第245回遺言書ってなに!?遺言書検定に答えながら、理解を深めよう放送日:2022.12.29
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「円満な相続」のためにせっかく書いた「遺言書」がもとでトラブルにならないよう、「遺言書のトラブルを防ぐ方法」についてお話していきます。
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- 1.遺言書は元気なうちに!
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遺言能力のある元気なうちに遺言を作って、その後数年おきに内容を見直すようにするのが良いでしょう。
民法961条では15歳に達したものは遺言をすることができると規定しています。
それでは「15歳以上であれば誰でも遺言ができるのか」というと、そうではありません。遺言作成に必要な意思能力について、一般的には、「遺言内容を理解し、遺言の結果を弁識し得るに足る意思能力」と言われています。認知症がかなり進んでいる場合などには後に遺言能力が争われ、場合によっては裁判所から遺言が無効と判断されてしまう可能性があります。
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- 2.定められた様式に従って書くこと
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法律上定められた様式があるため、不安であれば専門家に相談しましょう。
実際に、簡単な様式を守らなかったことで裁判所に無効と判断された遺言は数知れずあります。
(日付を書かなかった、押印をしなかったなど)。
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- 【大木さんに問題】
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- Q1.妻と連名で書いた遺言書、無効?有効?
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A1.連名で書いた遺言書は無効です。
このように、遺言書にはさまざまなルールが定められていますから専門家に相談して進めることが確実です。
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- 3.あいまいな表現はしないこと
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遺言書の作成で特に重要なのは、財産を特定できているかです。特に「誰に」「どの」財産を相続させるのかを書くことが重要ですが、財産を特定する表記ができているか、専門家に確認するのが確実でしょう。
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4.遺留分に配慮すること
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- 【大木さんに問題】
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- Q2.遺留分とは何だったでしょうか。
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A2.一定の法定相続人に認められた、最低限度の遺産取得分のこと。
配偶者、子や孫などの直系卑属、両親や祖父母などの直系尊属に認められています。
遺留分に配慮しない遺言は遺留分権利者となる相続人の感情を逆なでし、無用な紛争を生じさせる可能性があります。なるべく遺留分に配慮した形が望ましいでしょう。
このように、遺言書は相続争いを防ぐ有効な手段ですが、同時に作成には注意を要するものでもあります。
確実にトラブルを防ぎ「円満な相続」のために有効な遺言書を作成するために、専門家に相談することをおすすめします。