第232回遺言書を発見したら放送日:2022.09.29

  • 【質問】
    先日、夫が亡くなりました。通夜と告別式を終えて少しずつ部屋の整理を始めました。すると、書類のすきまから「遺言書」と書かれた封筒が。生前、遺言書の話は夫から聞いておりませんでしたが、表面の筆跡は夫のものです。発見した遺言書はすぐに開けてはいけない、と聞いたことがありますが、どうしたらよいのでしょうか。
  • 【回答】
    ★ポイント
    ・「自筆証書遺言」をご自宅などで発見した場合には家庭裁判所にて「検認」の手続きが必要です。

    今回の質問から察するに、見つけたのは「自筆証書遺言」でしょう。「自筆証書遺言」をご自宅などで発見した場合、「検認」の手続きが必要です。「検認」とは、一言で申し上げれば、相続人に対して遺言書の存在や内容を知らせる手続きです。「遺言書」に封印がある場合には、家庭裁判所で相続人等の立会いのうえ開封しなければなりませんので、ご注意ください。

    検認手続を終えた後、その遺言書を用いて相続手続きを行うことになります。遺言は法律行為になりますので、その書面が遺言の要件を満たしているか、大事なポイントです。要件を満たしていない場合には、遺言としては無効であり、手続きを行うことはできません。

    また、遺言執行者が指定されているか、も併せてご確認ください。遺言執行者が指定されていなくても、遺言は有効に成立しますが、指定の有無により、相続手続き方法は異なります。

    遺言を実行する人のことを遺言執行者といいます。その遺言執行者は、原則遺言どおりに実行します。ただし遺言執行者は必ず指定しなければいけないものではありません。

    指定されていない場合、または指定されている人が亡くなっている場合には、必要に応じて家庭裁判所へ遺言執行者の選任申し立てをします。