第227回認知症トラブルを防ぐ放送日:2022.08.25
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認知症になる前から、家族信託などを利用して、詐欺などにより重要な財産を失わないような対策をしておくことが重要です。
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- ■家族信託
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家族信託は、家族間での財産管理を可能にする方法です。
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- ★親が認知症になる前に財産管理ができる
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親の体調や意思表示の能力に左右されない財産管理を実現できる手段として、家族信託は非常に有効です。
認知症になり、自分の意思を外部に伝える能力が低下したり失われたりすると、その人は、自分の財産の管理や処分が自分でできなくなります。
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- ★次の世代の相続も指定ができる
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自分の財産を相続させる相手を決める手段として一般的に用いられるのが「遺言」です。たとえば、「自分の亡き後は自宅を配偶者に相続させたい」という希望があるなら、遺言書にその内容を記載しておくことで足ります。
ただし「自分が亡き後、自宅を相続させた配偶者が亡くなったら、長男に相続させたい」といった、次の世代への希望も叶えたい場合は、遺言では不十分です。なぜなら、遺言で決められるのは「自分の財産を最初に相続させる人」だけだからです。遺言によって配偶者が自宅を相続すると、その自宅は配偶者の財産になります。配偶者の財産になった以上、その自宅を次に相続させる人を決められるのは配偶者だけなのです。
一方、家族信託なら、自分が亡き後の次の世代の相続についても指定できます。
そのほか、同じく認知症になった人の財産を他人が管理処分する方法として「成年後見制度」があげられますが、リーズナブルさと財産管理における柔軟性、自由度の高さにおいて家族信託の方がリーズナブルかつフレキシブルに財産管理ができると言えます。
ただし、親が認知症になってからでは家族信託を契約することができないため注意しましょう。