第214回事例から見る不動産相続【財産のほとんどが不動産】放送日:2022.05.26
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- 【事例】
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Dさんには息子さんは3人おり、奥様は既に亡くなっています。
Dさんの財産はほとんどが不動産で、このような場合、生前の準備は必須です。
しかし、準備することができないままDさんは亡くなってしまいました。
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- 【整理】
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相続財産:不動産
相続人:息子3名
※遺言はなし
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- 【相続方法は大きく分けて3つ】
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- 相続財産が不動産しかない場合、公平に相続しようと思えば方法は大きく分けて3種類になります。
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- ■代償分割
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まず、兄弟のうち誰かが相続し、他の兄弟に現金などを渡す方法です。
もちろん、この方法は不動産を相続する者にそれだけの支払い能力があることが前提ですので、どうしても不動産を守るためにこの方法をとる場合は相続人自身の他の財産を処分する必要が出てくることもあります。
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- ■共有分割
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次に、兄弟で共有する方法です。
この方法は本当に最後の手段であり、専門家であればまずおすすめしないでしょう。
いったん不動産が共有になると次の相続が発生した場合、通常はさらに人数が増えます。
共有の人数が増えるということはいざ売却や担保に入れるなどの行為を行う場合、共有者全員の同意、手続きへの協力がなければならないため容易に進みません。
兄弟の誰かが亡くなってその相続人が相続手続きを怠れば、将来的にほぼ何も権利を動かせない状態になってしまいます。
よって、共有にする場合は近日中の売却を前提とする場合などに限られてくるでしょう。
もちろん、この方法は不動産を相続する者にそれだけの支払い能力があることが前提ですので、どうしても不動産を守るためにこの方法をとる場合は相続人自身の他の財産を処分する必要が出てくることもあります。
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- ■換価分割
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次に、売却してその代金を兄弟3人で分配する方法です。
不動産そのものを守らなければならないといった強いこだわりがないのであればこれが最も公平といえる方法ではないでしょうか。
いったん不動産が共有になると次の相続が発生した場合、通常はさらに人数が増えます。共有の人数が増えるということはいざ売却や担保に入れるなどの行為を行う場合、共有者全員の同意、手続きへの協力がなければならないため容易に進みません。
兄弟の誰かが亡くなってその相続人が相続手続きを怠れば、将来的にほぼ何も権利を動かせない状態になってしまいます。
よって、共有にする場合は近日中の売却を前提とする場合などに限られてくるでしょう。
もちろん、この方法は不動産を相続する者にそれだけの支払い能力があることが前提ですので、どうしても不動産を守るためにこの方法をとる場合は相続人自身の他の財産を処分する必要が出てくることもあります。
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- 【生前の準備】
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相続財産が不動産のみというのは被相続人の生前からわかっていることです。よって、資産家ではない家庭でもこのような状況なら遺言の作成が必須と考えておかなければなりません。
内容としては「不動産を誰に相続させたいか」「その理由」などですが、不動産をもらえない者への手当も同時に考えておかなくてはなりません。
生前、両者の学費に著しい違いがあったなどの場合はその差を調整するなどの理由を明示するだけでも十分でしょう。
ただ、そのような理由がない場合は、やはり相続開始後の紛争を防ぐためにも金銭的な不公平が生じない工夫をしておきたいものです。長男に不動産を相続させる代わりに次男には死亡保険金を受け取らせるなどが定番の方法ですが、各家庭の適切な方法については専門家に早めに相談しておくことが望ましいといえます。