第190回遺産分割協議のやり直し放送日:2021.12.16
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- 【相談内容】
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母の遺産について相続人全員で遺産分割協議をしました。
しかし、相続人同士の仲が悪くそれぞれが納得しきれていないままに。
度はまとまった遺産分割協議ですが、やり直しはできるのでしょうか。
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- 問題:遺産分割協議のやり直しは可能?
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─ 原則やり直しはできないが、相続人全員が同意すればやり直し可能。
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- 【解説】
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- 遺言書がない場合は、相続人間で話し合い(遺産分割協議)を行って、遺産分割を行うことになります。相続人間の関係が良好であるような場合や、財産が分割しやすいような場合には、スムーズに話し合いがまとまるものですが、相続人間の関係が険悪なものであったり、財産が換金しにくいものであったりした場合などには、話し合いがまとまらないことがよくあります。一度はまとまった話し合いも、後になって不満が出てくるようなこともあるかもしれません。そのような場合の対策をご説明します。
- 遺産分割協議は、相続人全員が合意することで初めて成立するものです。一度成立してしまえば、誰か一人が「納得いかない!」と言い始めても、やり直しをすることはできません。しかし、相続人全員がやり直しに同意することができれば、もう一度、遺産分割協議を行うことができます。
- ところが、ここで注意しなければいけないのは、税金に関する問題です。遺産分割をして、相続税を申告してしまっていた場合は、贈与税などの課税を新たに受けることになってしまうのです。遺産分割が成立し、相続税を申告した後で遺産分割をやり直す場合、税務上は遺産分割とは見なされず、贈与と見なされることになります。したがって、二重に税金を支払うことになるようなケースも出てきますので、できるだけやり直しはしないほうが良いでしょう。
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- 問題:遺産分割協議後に遺言がみつかった場合、遺言に従わなければならない?
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─ 原則、遺言に従う必要がある。
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- 【解説】
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- 遺産分割を行った後に、被相続人の自宅などから遺言書が出てきたような場合は、原則として遺言書の内容に従う必要があります。遺言は、被相続人の死亡によって相続が発生しますので、その時点で、遺言の内容に従った権利関係の変動が生じると考えられるからです。たとえ遺産分割を行ってから日数が経過していたとしても、遺言書の内容には時効は存在しませんし、遺言書の内容は法定相続分より優先されるため、遺産分割は無効となり、遺産分割をやり直す必要があります。
- ただし、絶対にやり直さなければならない訳ではありません。相続人全員がやり直しをしないということに同意すれば、やり直さなくても良いのです。相続人間でもめている最中に遺言書が出てきて、その内容に納得することができれば、話は丸く収まりますね。