第176回財産の大半が不動産の場合放送日:2021.09.09
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家族構成:父、母、長男、長女、次女
父の資産状況:自宅(時価5,000万円)、賃貸マンション一棟(時価1億円)、駐車場(時価4,000万円)、預貯金(500万円)
その他:賃貸マンションは満室で収益性がよく、駐車場は4割ほど空いている
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先日、父が亡くなりました。父は生前不動産経営をしており、財産のほとんどが不動産になります。複数ある不動産のうち賃貸マンションは満室で収益が取れているのですが、駐車場は4割ほど空きがあり収益性が悪い状況です。すると、相続人のほとんどが賃貸マンションの相続を希望して、遺産分割協議がまとまりません。どうしたらよいのでしょうか。
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- 【回答】
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財産の大半が不動産である場合には、どの不動産を相続するかによって時価や賃料収入等で不公平感が出やすくなってしまうことが主な原因です。また不動産は現預金と違い分割が難しく、共有状態にしたとしても後々に権利関係でトラブルになりやすい財産です。
複数の不動産を相続人に公平に相続させることが難しい場合には、売却や組み替えを行い同じような資産価値の不動産を所有する状態に整理するとよいでしょう。このケースの場合には賃貸マンションの価値が高すぎるため、駐車場も併せて売却を行い子供3人にそれぞれマンションを残すといった方法も考えられます。また不動産が遺産の中にある場合には無用なトラブルを避けるためにも遺言を作成することが望まれます。
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- 今週の教訓
- 「不動産と相続人が多い人は今すぐ専門家に相談すべし」