第141回定期借地権付建物・遠方にある不動産の相続放送日:2021.01.07

  • 【質問】
    先日父が亡くなり、父が住んでいた家を相続することになりました。
    父は、東京都内某所に定期借地上に建物をたてて一人で暮らしており、父の相続財産は、自分が住んでいた東京都内の定期借地上の建物と預貯金で1000万円ほど。定期借地の残存期間は28年です。しかし、私は遠方に住んでいるため、建物の管理は難しいです。どうしたらよいでしょうか。
  • 【回答】
    ①定期借地権付き建物の価値
    定期借地権付き建物は定期借地権の残存期間(28年)と建物の経過年数(22年)等で価値が決まります。

    ②相続人の所在地と相続不動産の所在地が遠方の為管理が難しい。
    所有している不動産が都内であれば立地条件によっては賃貸として運用できる可能性もあります。地代を払っても賃料が入ってくれば経営は可能です。管理が難しい場合はサブリースをしてもらうことをお勧めします。

    ex)地代3万、賃料10万円で10年間賃貸した場合
    (13万―3万)×12×10=1200万

    また、投資家に売却することも可能です。
    まずは現在の資産価値を不動産会社に査定してもらいましょう。

    定期借地権は原則として途中解約が認められませんので、今後払い続ける可能性がある地代と建物取り壊し費用のバランスを考えて、場合によっては預貯金を諦めて相続放棄をすることも検討しなければいけません。
    売却のハードルは高いですが、まずは相続放棄の猶予3ヵ月の間に買い手を探しましょう。3ヵ月という短い期間で定期借地権付建物に住みたい!というひとを見つけるのは難しいでしょうから、専門家に相談するのが良いでしょう。