第115回遺言書を書くことのメリット放送日:2020.07.09

  • ひとつひとつメリットを挙げると、
  • 1.相続人同士がモメることなく相続手続きができる
    これが本当に一番大きなメリットです。遺言書を残すことで、相続手続きで相続人同士がモメることは確実に減ります。相続が発生すると、相続人全員の意見を一致させて手続きを進めなければいけません。一つ一つの財産をどう分配していくかを決めるのは非常に大変です。遺言書で相続人の誰に、何をどの割合で相続させるか決めることで遺産分割協議も不要になります。
  • 2.相続人が遺産分割方法について悩まなくてすむ
    遺言書を残せば、何を誰にどの割合で相続させるか決められているので相続人全員で話し合う必要がなくなります。
  • 3.相続人全員の遺産分割協議の手間が省ける
    遺言書がないと遺産分割協議を相続人全員で行なう必要がありますが、遺言書で遺産分割をしていると、遺産分割協議は不要になります。
  • 4.長男の妻や孫、内縁の妻などにも財産をあげることができる
    法定相続人に長男の妻や孫、内縁の妻は入っていませんが、遺言書に記載しておけばどなたでも財産をあげることができます。
  • このように、遺言書を書くことは円満な相続につながります。今回のご質問者は、「うちには遺言書は必要ない」と思っているようですが、残さなかったときに困るのは残された家族です。遺産分割で家族間の揉め事を避けるためにも、遺言書を書きましょう。また、「まだ元気だから必要ない」と思う方も多くいらっしゃいます。たとえば認知症になった場合、遺言書を書いても効力が認められません。遅すぎた、ということはあっても、早すぎるということはありませんから、遺言書は早めに書きましょう。